概要
今時は複数の機器とペアリングできるBluetoothデバイスがあって便利だな、という話です。
キーボード
「ELECOM Bluetoothフルキーボード ゲーム用82キー 9台切替 ブラック TK-GMFBP043BK」
最大9台までペアリングが可能なキーボードです。単4電池2本で動きます。他の特徴を以下に挙げます。
- USBによる有線接続もできる(mini B端子、ケーブル別売り)
- Windows, Mac, Android向けの配列モードがある
- 液晶エリアでバッテリー残量、モード、ペアリング状態等が確認できる
自分は持ち歩くことを前提にしていたので、この小さいタイプを購入しましたが、フルキー版もあります。自宅で使う分にはこちらの方がよさそうなので、近いうちに買おうかなあ、と思っています。
マウス
「ELECOM Bluetooth3.0マウス 5ボタン 9台切替 IR ブラック M-NV1BRBK」
同じくエレコム製の、9台までペアリング可能なマウスです。こちらも単4電池2本で動きます。
- LED表示エリアで1~9までの数値が表示され、どの機器がペアリング対象か判別できる
- ペアリング切り替えボタンはマウスの頭頂部にある。1→9の順にシーケンシャルにしか切り替えできない(これはしょうがない)
- 光学式
- 電源スイッチとペアリングボタンは裏面にある
キーボードと違って表示インジケーターや切り替えは若干制限がありますが、マウスというデバイスであることを考えると妥当なところです。こちらにはUSB接続の口もありません。
HID送信機
「iBUFFALO Bluetooth HID送信機 ブラック BSHSBT04BK」
上記2つを買うまではこれを使っていました。このデバイスは刺したマシンの入力デバイスを、Bluetooth HIDとして扱えるものです。たとえばノートPCに差してそのキーボードやトラックポインタをAndroid端末につなげることができます。
- USB的にはMass Storageに見える
- ストレージ内に専用アプリ(Windows/Mac用)があり、それを実行してデバイスを制御する
- Windows/Mac/Androidのキーボードレイアウトに対応
なかなかよさそうなデバイスに見えるのですが、長く使っていると接触が悪くなるようで、うっかりちょっと触ったらUSB切断されるような事象が見られます。2つ持っているので、個体差でなく全体の傾向がそうなのではないかと怪しんでいます。あと、最初に購入した奴は初期不良でそもそもUSBデバイスとして認識できませんでした。
これをLinuxで使えるようにしたい、と常々思っているのですが、試しにUSBパケットをキャプチャしてみたところ、USB Mass Storage以外のパケットが流れていませんでした。パケットの中身を解析しないとダメそうです。
以下余談
個人的に、Bluetoothには10年ぐらい前から注目していました。それ以前はIrDAに注目していました。どちらも無接点で扱えるという点に魅力を感じています。
かつてPDAのPalmやZaurus(Linuxでない方)を持っていた頃、いわゆる母艦となるPCとのやりとりは可能な限りIrDAを使っていました。大きな理由として、PalmとPCをシリアルポート経由で接続するクレイドルの公式耐用回数が3000回と少なかったからです。1日3回使えば、1年3年持たない計算です(石川さんのご指摘があったので修正)。余談ですが、一般的なUSBのB端子(フラッシュメモリ等)は規格上1500回とさらに少ない値となっています。microUSBなら1万回です。
かつてIrDAはノートPに標準搭載されるぐらい一般的なものでした。自分がDebian開発者になって最初にパッケージしたのはirda-utilsでした(今はメンテナを別人に交代)。しかし代替となるような技術が出ないまま徐々に廃れてゆきました。
今の携帯電話についているような赤外線通信機能はIrDAのサブセットで、メールアドレスなどの交換にしか使わないことが前提の、軽量な実装です。
IrDAに代わってPDAに搭載されるようになったのがBluetooothです。Bluetoothは2.4GHzの周波数帯を使います。Bluetoothの出始めの時期は無線LANと割とかぶっていますが、周波数帯までかぶっています。
受難の時期
ゼロ年台前半は、毎年「今年はBluetooth元年だ」という記事が出るくらいに注目されつつも普及しませんでした。実際にBluetooth機器が安価に出回るようになったのは、iPhone、Android端末が売れるようになってからです。
デバイスドライバ、プロトコルスタックもなかなか整備されませんでした。Linuxでは3つぐらいの実装が乱立していた時期がありましたし、WindowsでもXPの時点での公式サポートは限定的なものでした。この時代、WindowsでBluetoothを使うのであれば東芝のBluetoothスタックが高機能でした。東芝はBluetoothにいち早く対応したメーカーの一つです。
その気になれば(+デバイス側が対応していれば)Bluetoothでテザリングもできます。無線LANより消費電力が低い点は魅力です。その分速度が犠牲になりますが。
ここには書きませんでしたが、Bluetoothヘッドフォンも愛用しています。うっかりスマホを置き忘れても、一定距離以上離れれば通信が切れるので、忘れ物対策にもなります。
Bluetoothは便利という話でした。
365 * 3 = 1095 なので 一日3回で 3000回だと3年弱じゃね?
おっしゃる通りでございます。修正しました。
ご指摘感謝。