Internet ArchiveとDMCA改定

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主にWebのアーカイブ(wayback machine)で有名なInternet Archiveが、MS-DOS用のゲームをブラウザ上でプレイできるよう公開した、というニュースがありました。

ねとらぼの記事(MS-DOSのゲーム約2400本がブラウザでプレイ可能に 海外サイト「InternetArchive」が公開)ではフェアユースの扱いという解説がありましたが、事態はもう少し複雑のようです。

Internet Archive、DMCAの改正を歓迎という記事で、Internet Archiveの行っていたソフトウェア、ビデオゲームのアーカイブが合法になったことについて触れています。

本家の声明Internet Archive Helps Secure Exemption To The Digital Millennium Copyright Act によると、「図書館のような公的機関に限って、もはや動作させることが困難な古い記録メディアや再生機器が必要な場合には、コピープロテクトなどを解除してアーカイブすることがゆるされる」という改正がなされたように読めます。Internet Archiveはアメリカの非営利公益法人であり、この対象となります。形体としては「インターネット図書館」と呼べるものです。

提供手段はWebブラウザ上での再生で、JSMESSというJavaScript実装のエミュレーターを利用しています。つまり誰でもゲームがプレイできる状態にあるわけですが、この点について法的にどうなのかという疑問を後藤さんがされていました。

単純にコピーを配布する、という話であれば確かに問題があると思います。とはいえ、DMCAは先頭のDがデジタルであり、YouTubeのようなWeb上での配付に当たらない公開についての取り決めであったとなんとなく記憶していたので、改めて原文を確認してみました。

原文(pdf)には”webcasting”という表現がありました。Wikipediaの解説によると”Webcasting is the distribution of media files through the internet.”ということで、”distribution”の定義が問題になりそうです。訳としては配布もありますが、頒布と訳されることもあります。 個人的な見解としては、Webブラウザ上に限定して再生できる状況はYouTubeと形体としては近いものだと思います。日本の法解釈であればビデオゲームは映画と同じ分類(cf.パックマン訴訟)でもあります。 とはいえ、ブラウザに送信されたゲームのデータをキャプチャして第三者に配布するなどといったことは当然禁止されることでしょう。Internet Archiveが非営利法人であったからこそできたことでもあると思います。

こちらの後藤さんツイートはねとらぼの記事を読んだ直後のものなので誤解もあると思うのですが、さすがにそういう意図をInternet Archiveはしていないと思います。Internet ArchiveはかつてはWebの収集しかしていませんでしたが、今では動画音声画像電子書籍などといったものも広く収集、公開しています。Amazon S3 互換APIも用意されており、第三者からの提供も受け付けています。